押井守監督作品『アヴァロン』ポーランド ロケ地探訪(1)

今回は、押井守監督の実写作品『アヴァロン』のロケ地へポーランドへ。

※数年前にニコニコチャンネル(ユーザー投稿版サービス終了)で掲載したもの再編集版です


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地下鉄に入る前の場面のロケ地。映画と同様に映っているのが Palace of Culture and Science (文化科学宮殿)

■はじめに
旅の前に、映画『アヴァロン』の各種解説を読む。大抵の場合「アニメーション出身の押井監督が実写を手がけた点」さらに、「ポーランドという海外の地で撮影した点」が真っ先に挙がっている。ただし実際のところ、実写やポーランドというキーワードの深掘りは難しい。ほぼ、押井監督や一部スタッフの振り返りや、当時のメイキングビデオから、とっかかりを得ている気がする。作品自体がそもそも幻想的なこともあり、なかなか実感が湧かないので、制作者の受け売りになってしまう。ワルシャワ市内の撮影は、どんな雰囲気の場所なのか興味があった(実際は、ヴロツアフ、クラクフでも行われている)。
今回、例のごとく訪れてみた。往年の名作ポーランド映画である『地下水道』『灰とダイヤモンド』『大理石の男』の暗いイメージとは異なる、さらには、『アヴァロン』で感じた無機質感とも異なる、ちょっと暖かい空気があった。そして、少なくともワルシャワ内のロケ地は、かなり手軽に行ける場所にあった。これからロケ地へ行く人の何かしら有益な情報になっていただければ嬉しい。行かない人も、映画をテーマにした旅の雰囲気を楽しんでいただければと思う。

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KIYASUWALKER
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映画の歩き方®

ポーランドアヴァロン』ロケ地研究編
KIYASUWALKER
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■そもそもアヴァロンとは?
押井守監督作品。氏の代表作は『攻殻機動隊』『機動警察パトレイバー』シリーズ『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』『スカイクロラ』。筆者的には『ご先祖様万歳』も捨て難い。近年は何作か実写を手がけていらっしゃるが、『アヴァロン』が実写としては初であった。ジェームズ・キャメロン監督など、海外の複数の監督にインパクトを与えた作品である。

 

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アヴァロンポーランドの関係
「本物の戦車で撮影させてくれる国」であることが決め手となり、押井監督は、ポーランドでの撮影を決めた模様。役者もポーランド人であり、日本人は登場しない。言語もポーランド語だ。

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■著者紹介
KIYASUWALKER(きやすうぉーかー)
メディア史の勉強と創作活動が好きです。好きな映画は、ナチス前のドイツ映画、戦後の日本映画、そして、スターウォーズ。問い合わせは、コメント欄か、twitter

@kiyasuまで。

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【01.大まかなロケ地と旅程】

日本から飛行機で向かいました。バスでワルシャワ市内へと行き、その後は徒歩です。滞在時間は、ほぼ1日。参考にしたのは「居ながらシネマ」さんのHP。

【02.治安とか言語とか諸々】

治安
安全です。

言語
ポーランド語です。ただ、お年寄りでなければ英語も通じます。

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【03.出発編&バスを降りると直ぐロケ地が】
空港からのワルシャワ市内へのアクセスで、安上がりなのはバスである。中東に行くと男性だらけの印象を受けるが、この街は女性が多く見えた。男性は働いている為か、美形の方が多いので目が女性へ行ってしまう為か。

さて驚いたことに、バスを降りた場所そのものがまさに『アヴァロン』のロケ地であったことだ。こんなにすぐに辿り着けるとは思っていなかった。筆者の海外における過去最速のロケ地到着の一つである。同率一位は、映画『終着駅』の舞台となった空港直結のローマのテルミニ駅だ。海外での44日間の撮影は、そんなに余裕があるものだとは思わないが、街の中心、かつ、入り口で(も)行われていたのである。

写真左側に空港直結のバス停。ここは、現実パートでヒロインが奥から手前に歩いてきた場所である。看板は異なるが、撮影当時とさほど変わらない。

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振り返ると、その後の切り替わりの場面へと移る。こちらも、当時とさほど変わらない。

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特にホテルへ行くこともしないまま、続いて、ヒロインが地下鉄に降りる場面のロケ地を目指す。ここも、筆者が立っているロケ地から直ぐに目星がつけられる位置にあった。

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【04.ロケ地から見えた文化科学宮殿
この場面を少し左にずらすと、高いビルが現れる。ここが、次なるロケ地だ。ヒロインが、目指したのは、ヒロインが歩いていた方向とはざっくり反対方向だった。

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思った以上に"ランドマーク"であった

この建物の名前は、Palace of Culture and Science 文化科学宮殿。地下鉄に降りる場面の背景で見えた建物だ。麓まで行ってみると、老若男女がのんびりしている場所だった。警官に注意されている不良もいたが。スターリンによって、ソビエト連邦からのポーランド人民への贈り物としてワルシャワ市内に建設されたランドマークであり、当初は「ヨシフ・スターリン名称(または記念)文化科学宮殿」という名前だったらしい。筆者は登らなかったが、展望台にもなっている。

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建設期間の事故などによる死者は16人だったという。なんにせよ今は平和に見えた

さて、劇中の地下鉄の入り口を探すと、あっという間に発見した。
映画を再現すると、下に載せた写真のようになる。

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ヒロインは観客に背を向けながら地下鉄へ向かった

ここも意外と賑わった場所で、花売りとかもいた。目の前にある地下鉄の駅名は「Centrum」。読み方は「ツェントルム」。映画の雰囲気より、色だけでなく空気も明るく感じる。

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【05.地下鉄内部】
映画ではこの後、地下鉄内部の場面になる。そこで、実際に切符を買って降りてみる。入り口左の黄色いところが、切符販売機である。筆者は安いチケットを買って、探索が終わったら、電車には乗らずに上がる戦法をとる。

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ヒロインが立っていたあたりに降りてきた

映画で見覚えのある場所に着いた。つまり、入り口だけでなく、内部も「Centrum」駅で撮影されたことがわかる。世界でいろんなロケ地探訪をしてきたが、外部も内部も 同じ駅を撮影場所にしているとは限らない。今回は、当たりだ。「wyjście(出口)」の看板も似たような感じである。

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劇中では、車両を上から撮影していたので、足場が気になっていたのだが、普通にの歩道(といえば良いのかな)があった。

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車両の色合いも映画を思い出す

こちらが、映画を再現した写真である。電車は結構頻繁にやってくるので、撮影に失敗しても再チャレンジは容易である。お手洗いあって撮影には最適?です。

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角度を微調整しつつ、何度か撮影した。列車の動画を撮影するのも楽しい。
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ちなみにこの歩道には、店やディスプレイがあった。あまり人は来ないんじゃないかと思ったし、筆者がいた時間には閉まっていたが。
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ここには、日本のコミックを扱う場所もあった。
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ちょっと変わったセレクト?筆者が知らない作品も目立つが。

さて、続いて、観光地である 歴史地区の方へと向かうのですが、ここでもロケ地が・・・(次回につづく

映画『大脱走』ロケ地探訪 -マックィーンのバイク跳躍場面を求めて-

この場所に辿り着く旅。

[このブログは?]
チュニジア、ヨルダン、イスラエル、トルコ、マレーシア、中国…
映画・アニメ・文学等のロケ地を中心に40カ国以上廻ってきた旅行について紹介する。

これからロケ地へ行く人の何かしら有益な情報になっていただければ嬉しい。
行かない人も、映画をテーマにした旅の雰囲気を楽しんでいただければと思う。
※数年前にニコニコチャンネル(サービス終了)で投稿したもの再編集版です

 

■そもそも大脱走とは?

1.映画史の中でも屈指の名作
2.時は第二次世界大戦ナチスの捕虜収容所から集団脱獄した男たちの物語

少なくとも日本において、この作品に文句を言う映画ファンを、筆者は見たことがないです。漫画『20世紀少年』でも「何人が生き残ったか」という話で登場しましたね。マックィーンのバイクで脱出を試みる場面がとても有名。

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■なので、今回の読みどころ
幾つかロケ地を回ったのですが、特にスティーブ・マックィーンバイクで跳躍した場面のロケ地は貴重。ここはどうしても行きたかった!土地の所有者に聞いたところ「初めて訪ねてきた日本人だそう。

▼ここでナチスからの追跡をバイクで振り切ろうとした・・・!
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▼このDVDパッケージにもなっている場面です。背景の山を見比べてみてください!
大脱走(2枚組) (初回生産限定) [DVD]

他の日本人の方がUPしているロケ地写真は、筆者が検証する限り微妙に違う場所。
土地のタクシー運転手も勘違いしているのではないか、という疑惑もあります。実際、筆者も最初、タクシーで全く違う場所に連れて行かれました。

 

▼その他にも、ロケ地を巡ります。これは、ボートで脱出する場面のロケ地。

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ドイツ大脱走の関係

ドイツ軍から逃げるお話。映画はアメリカで撮らずにドイツで撮影が行なわれている。
主に脱走作戦後の場面は、フッセンという町で撮影された。

ノイシュヴァンシュタイン城で有名な地。この城は、シンデレラ城のモデルになったことでも有名なそれはもう美しいお城。『大脱走』の中では、飛行機で逃げる場面で、お城もチラリと登場している。後は、『チキ・チキ・バン・バン』や『ルードヴィヒ』ですかね。ちなみに、『わが青春のマリアンヌ』に登場したお城もあります。

ノイシュヴァンシュタイン城 [ポスター]

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さて、そもそもこの『大脱走』という映画は史実がもとになっています。小学館文庫の史実をまとめたサイモン・ビアソン著の"大脱走"を読むと、映画で史実に基づいているところ、省略されたところが判ります。筆者も購入せり。本を読むと、実際の脱獄の場所はフッセンとは違う町が舞台であったことも判ります。

大脱走ファン必読の名著!
サイモン・ピアソン著。読むと映画がもっと楽しくなる。
邦題は映画と同じ『大脱走』になっていますが、原題は映画の『The Great Escape』をもじって『THE GREAT ESCAPER』。粋の良いタイトルだ。

  The Great Escaper: The Life and Death of Roger Bushell - Love, Betrayal, Big X and The Great Escape (English Edition) 大脱走 英雄〈ビッグX〉の生涯 (小学館文庫)


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【01.大まかなロケ地と旅程】

実は、当初、ロケ地に行く気は全くなかったのである。旅行のプランに余裕が出たため、急遽、ロケ地に行くことになったのだ。

もともと目指していたロケ地はベルリンの『ラン・ローラ・ラン』のロケ地。また、ドイツに散らばる映画博物館を目指そうとしていた。『大脱走』については、ドイツ内にロケ地があることは知っていたものの「自分の旅程にはねじ込むことはできない」と判断して諦めていた。

スティーブ・マックィーン クールヒーロー ブルーレイBOX(4枚組)(初回生産限定) [Blu-ray] 大脱走 [DVD]

◆当初の旅程
4つのドイツ映画博物館をめぐる旅

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1日目
フランクフルト観光

2日目
フランクフルト観光 ←映画博物館へ
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ミュンヘン観光

3日目
ミュンヘン観光 ←映画博物館へ
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ベルリン観光

4日目
ベルリン観光 ←映画博物館へ

5日目

ベルリン観光
ポツダム観光 ←映画博物館へ
チェコ

ノイシュヴァンシュタイン城のあるフッセンも知人に勧められたのですが、この時点では旅程がいっぱいだと判断し、諦めていました。この旅程の立て直しについては、この後の文章を読んでください。

【02.治安とか言語とか諸々】

治安
安全です。

言語
ドイツ語ができるとスムーズですが、英語でなんとかなる


【03.到着編(フランクフルト)】
筆者が到着したのは、クリスマス前のフランクフルト。ドイツの空の入り口である。

▼駅の様子
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ただし、この街には大脱走のロケ地はない。
しかも、この時はまだ、大脱走のロケ地をしたり、素敵な出会いがあることも知らなかった。

▼駅のクリスマスマーケットで売っていた招き猫

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フランクフルトは、ドイツの、EUの経済の拠点の地だ。
以下、フランクフルトの主要の旅である。

▼ここでユーロがコントロールされている!
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ゲーテの生家へも行ってみた
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尚、ゲーテハウスは、アルプスの少女ハイジのクララの家のモデルである。追々。


▼スタイリッシュな家具が売っていることが多い

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▼恒例ですが、コミックショップもチェックする
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2Fが日本の漫画売場になっていた。
コスプレの作り方本が置いてあったのも印象的。

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▼クリスマス・マーケットの様子

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【04.フランクフルト映画博物館】
世界の映画博物館をめぐるシリーズ。
ドイツ映画博物館に行きました。

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建物もかっこいい。内容は必ずしもドイツ映画に絞ったものではなく、世界の映画を扱っている感じ。『エイリアン』『スターウォーズ』もあった。ドイツ映画単体の展示を見たい場合は、ベルリンへ行く必要がある(ラン・ローラ・ラン ロケ地探訪編で紹介する)。

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土曜に行くつもりだったのですが、この時、金曜だった為ちょっと遅くまで開いており、入ることができた。

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展示とは異なり、映画博物館のショップは、ドイツ映画仕様。

▼ドイツ映画の代表作『U・ボート』!

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U・ボート ディレクターズ・カット [Blu-ray]

フリッツ・ラング作品もある!『メトロポリス』や『M』だ。最近、VIP先生の動画がniconiconoランキングで再浮上していましたね・・・。

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メトロポリス 完全復元版(2枚組) [DVD] フリッツ・ラング・コレクション M [DVD]

【05.旅程変更からロケ地へ】
フランクフルトの行きたいところを1日目で回りきった為「時間に余裕があるのでは」と思うようになった。そして、「直接、ホテルを予約しているミュンヘンへ向かわず、フッセンのノイシュヴァンシュタイン城を訪れることができるのではないか?」と考えるようになった。

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▼ドイツの電車のインフォメーションは分かりやすい。質問すると、英語で経路をプリントしてくれる。
朝、8:22の電車に乗っても、駅に着くのは14:00前。余裕のある、お城見学はできないが・・・。

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・・・と、電車の中でさらに気づいたのである。
以前、居ながらシネマさんのサイトを覗いていたのが、功を奏した。
筆者「大脱走のロケ地にも行けるのではないか?」
窓の外を見れば、どことなく、映画で登場した草原に似た景色が見える。

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行こう!絶対行きたい!
ちょうど筆者はこの旅立ちの前に、入院中の恩師に、早く病院から脱走できますようにという意味で、『大脱走』『ショーシャンクの空に』の2本をお見舞いに持って行ったところであった。タイミング的に、これは何か運命のようなものを感じる。

しかし、懸念点は2つ。

1.時間がない
お城の観光は外せない。
それなのに、駅に着いてから4時間くらいしかない。日の入り後は真っ暗になるであろう為
ミュンヘンでホテルを予約しているので、時間のお尻に制約がある

2.ロクに調べていない

昔、インターネットで軽く検索しただけだ。今から携帯電話で検索してたどり着けるのか?

この不安点が、
とんでもない苦労と、達成感につながるとは
まだ予測できていなかった・・・。

【06.フッセン駅に到着】

観光客が通る駅だが、早速、この駅が映画に使用されている
▪️汽車で逃亡しようとするも失敗する場面

当然、もう汽車は走っていない。この駅と映画を紐付ける人は少ないだろう。だが、建物に当時の雰囲気は残っている。澄んだ空気が気持ちよい。

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▼映画ではこのへんに汽車がとまっていた。
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この街を中心に『大脱走』の脱獄者たちが、電車・徒歩・船・飛行機・バイクと散らばっていったのだ。そう思うと胸が高鳴る。また、狭い街なので、脱出ルートは少ないので、確かに多くの者が捕まってしまいそうと感じた。ちなみに史実だと、調達した服があまりにも異様だった為に、捕まってしまうことが多かったようだ。

▼映画に登場した線路はどのへんだろうか?

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▼史実が読みたい人はこちらへ
The Great Escaper: The Life and Death of Roger Bushell - Love, Betrayal, Big X and The Great Escape (English Edition) 大脱走 英雄〈ビッグX〉の生涯 (小学館文庫)


【07.観光バスでノイシュヴァンシュタイン城へ向かう橋】
まずは、観光のハイライトであるノイシュヴァンシュタイン城を目指す。楽な方法は観光バスだ。駅前にバスがくるので簡単だ。この車中で、電車の中で調べた即興の知識が役に立った。このバスのルートから大脱走のロケ地を見ることができる

具体的には、川だ
▪️小舟で脱出する場面
唯一、脱出がうまくいくシーンですね。

▼バスから撮影
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▼後ほど、別角度から映画に沿って撮影
赤丸あたりを通っていく。写真の奥に2つ目の橋があるのだが、その橋がバスルート。お城に行く人がいたら、バスから赤丸のあたりを眺めて映画を思い出してみてください。

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▼映画の雰囲気を探す。正確な場所はわからないが、ボートに乗る
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▼映画の角度に近い場所を探す
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小舟に乗る前に銃撃戦があったところが奥に見える(後編で述べます)。
歩いて直ぐ近くの場所から、船に乗ったのですね。街中から離れているので、確かに見つからなそうではある。

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【08.ノイシュヴァンシュタイン城

世界でも有数の著名なお城ノイシュヴァンシュタイン城に到着。
映画内では、飛行機で逃げる場面で登場する

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[注意]
このお城が見える原っぱが「大脱走のバイク跳躍のロケ地」という勘違いが現地でも起こっていたが、そこで跳躍はしていない。

このお城は映画『チキ・チキ・バン・バン』や『ルードヴィヒ』にも登場(後者は彼のお城だったのだから当然ですが)。

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このお城に入るには、入り口で、時間指定のついた見学用のチケットを取る必要があります。
勿論入たっけれど、時間指定の待ち時間が「ロケ地探訪の時間がなくなる・・・」と、少々モヤモヤ。

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とはいえ、やっぱり行ってよかった!音声付きで観光できます

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また、もう一つ、近くに、観光スポットがあります。
名前は、ホーエンシュヴァンガウ城

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映画『わが青春のマリアンヌ』に登場したお城。朝日新聞に紹介されていったっけ。

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漫画家の松本零士先生にとても影響を与えた作品。『銀河鉄道999』のメーテルを始め、作中に登場する女性ヒロインは、大体、本作の影響を受けている。

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映画『我が青春のアルカディアのタイトルにも引用されている!

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お城エリアから地上を見下ろすと、綺麗な街並みが。
実際の撮影地とは違いますが、赤い屋根は大脱走の雰囲気がありますね。

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【09.バイク場面のロケ地はどこだ?】

ここで筆者は、ものすごく有名な、バイク跳躍場面を目指す。

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筆者は、バイク跳躍場面の大まかなロケ地の場所は知っているのだが、場所は遠い。さらに、諸説があり、広い大地を、大まかな知識だけでナビゲートするのは困難だ。
でも、駅に溜まっているタクシーの運転手に片っ端から声をかけて「ロケ地で有名な原っぱに行きたい」と言えば、なんとか連れて行ってくれるのではないか?という淡い期待を抱いていた。何年もやっていれば、ロケ地探訪者の先駆者に出会っているのではないか。

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しかし、淡い期待すぎた。

1. 声をかけたタクシーの運転手は皆、「判らない」
2. ドイツ語で「大脱走のロケ地探訪したい」という意図が伝えづらい人が多い

写真を見せても意図が伝わらず・・・。
せめて、英語の shooting point と GREAT ESCAPE のドイツ語を知っておくべきであった。そもそも大脱走の人気がないと思われる。古い映画だし、ドイツ人が悪役の作品だからであろうか。
ちなみに、後々判ったことは、「映画大脱走のファン」というより「スティーブ・マックイーン の ファン」と言ったほうが、納得してもらいやすかったという点だ。

こんな変な要望を出す筆者の説明を、本当に熱心に最後まで聞いてくれた。
さすがドイツ人といったところか。好感度は高い。感謝である。

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とはいえ、「OK!」といって連れて行かれたのが、駅から数十メートル先の映画館だったり、筆者の意図とは違うレストランだったりと右往左往。疲労困憊する。

結局、日が暮れてしまった。


だが、ここで、年配のタクシー運転手が、
「ああ。場所を知っておるよ!」と言ってくれた!

筆者「ええ!!?是非連れて行ってください!!日が暮れていても構いません!」

しかし・・・

筆者の知識とは正反対の方向へと向かっていくタクシー。
筆者「あれ、東へ向かうのですか?」
運転手「うむ。そうじゃ」

とある原っぱで降ろされる。
「ここがバイクの場面じゃよ。今は整備されてしまっておるがの。」

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真っ暗なので足元しか判らないが、
うーん、申し訳ないのですが、
違う場所がする・・・!
奥にお城が見えるけど、バイクのロケ地からはお城が見えないはずだ。
(それでも、記念撮影もする)

その後、別の橋のロケ地へ連れて行ってもらった後(これは確実に合っていた)、

▼銃撃戦の場面。運転手に「バババババ」と言われながら教えてもらった。
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駅へと戻った。運転手も映画は好きだそうだ。
運転手にお礼を言いつつ、消耗した筆者は電車に揺られることになる。


【10.旅程変更】

3時間くらいかけて、ホテルをとってあるミュンヘンへ向かった。翌日は、ベルリンだ。
筆者は悔しかった。当然ながら、準備不足である
12時間前は「大脱走のロケ地へ行く」ことさえも考えていなかったのだ。頑張った方である・・・が、残念である。無念さはバネにしなければならない。

決めた。
「予定を変更して、
明日、もう一度フッセンに戻ってこよう。」

再チャレンジだ!
※電車代は外国人専用の3日間パスを使うので変わらない

【11.再びフッセン(フュッセン)駅へ】
ロケ地への再挑戦を誓った筆者は、ミュンヘンのホテルの中でリサーチ!改めてフッセンへと向かう。


フッセン行きの電車は、そのまま「フッセン」と書いてあった。

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尚、電車に乗るまでの午前中は、超難解映画『去年マリエンバートで』のロケ地探訪をするハードスケジュール。こちらも楽しかった。

去年マリエンバートで  HDニューマスター版 [DVD] f:id:kiyasu:20150310012737p:plain

車窓からは、やっぱり大脱走のバイク場面に似た景色が見える。昨日の失敗の挽回を心に誓う。

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そんな乗車の末、改めてフッセン駅にやってきた。

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昨日は楽しめなかった街並みを堪能する。

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【12.銃撃戦のロケ地へ】

まず、映画では銃撃戦が行われたロケ地を目指す。
前日はタクシーの運転手に教えてもらったものの、暗闇だった場所だ。

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▼この橋の奥が舞台

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このへんだ!

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▼このあたりで潜伏していたら、銃声が発生するのである。
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現在も、映画同様、座れる場所がある。映画とは違ってベンチですが。

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視線の先は、こうなる。ちょっと圧迫感?

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しばし筆者も休憩する
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銃撃戦が終わった後、小舟に乗って脱出する場面の川は、まさに、
この橋の下に流れる川である。

劇中の小舟は、下の写真だと橋のある奥手から手前に向かっていく。

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さらに下流へ行くと、中編で載せた方のロケ地の橋に繋がっていきます。

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【14.伝説!スティーブ・マックイーンバイクで飛んだ丘のロケ地を目指す!】

■事前準備
前日夜にインターネットで調査した結果、
1.目指す土地の名前
2.土地の所有者のおじいさんの名前
を知る。なお、あまり人が押し寄せてもご迷惑をおかけしてしまうと思うのでここには記載しません。英語のサイトでインタビューっぽいものがあります。

■タクシー
駅前でタクシーを捕まえようとするも、ちっとも捕まらず。
電車がない時間は、全くタクシーが来ないのだ。

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なんとかタクシーを捕まえると、「◉◉という土地へ向かってくれ!」とお願い。目的地へと向かう。運転手はメガネの・・・30歳くらいの方であろうか。さらに、「『大脱走』のロケ地探訪をしているんだ」と話すが、あまり反応がない。言葉が、うまく伝わらなかったのか、理解を超えた行動なのか。

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■到着?
湖を超え、確かに◉◉という土地にたどり着く。この広い地域のどこかにあるロケ地を自力で見つけるか、土地の所有者のおじいさんを見つけるか。間違った場所だった場合改めてタクシーを捕まえるのが大変なので、運転手には「ちょっと待っていてくれ!」と伝えて、タクシーを飛び出る。

■おじいさんを探す
近くに、10数軒の家がある。外には誰もいない。仕方ないので、チャイムを鳴らすと、2Fからお兄さんが顔を出す。「こんなおじいさんを探しているのですがー」と伝える。ニヤリとしながら「今、降りるからちょっと待ってくれ」と言われる。思えば、いきなりドイツの山奥に、東洋人が訪ね人をしてチャイムを押してくるのだから、不思議な状況である。

▼のどかな村である
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■おじいさんと会う

ここで教えてもらった、ルートをたどり、ある納屋を覗くと・・・
後姿で、おじいさんが何やら作業をいていた!
声をかける筆者。目を丸くして驚くおじいさん。

筆者「ああ、その、初めまして」
筆者 パソコンを見せながら「私はこのサイトで情報を知りました。『大脱走』のファンなのです!」

おじいさん「・・・」(まだ目を丸くしている)
筆者「・・・」

おじいさんあなたはー」(一息)
筆者
「はい!」

おじいさん
スティーブ・マックイーンのファンなんだな!?

筆者「はい!」

おじいさんその為にー
おじいさんここまで、やってきたなんだな!?

筆者「そうですーーーー!(狂喜)」


ちなみに、おじいさんはドイツ語、筆者は殆ど英語である。
ドイツ語は殆ど解らないのに、この時は一語一句漏れなく通じ合った気がした
おじいさんは、喜んでくれた。
筆者は、ロケ地探訪シリーズの中で、最大級の笑顔。

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■タクシーの運転手とお別れ
目的のロケ地までは、おじいさんが連れて行ってくれることになり、村の入り口で待たせているタクシーの運転手と別れることになった。10分近く待たせたのに、特に怒るそぶりもない。
気持ちよく別れた。「ENJOY!」。皆、人生を楽しんでいる。
ここは、良い土地だ。そう、筆者は思った。

ちなみに、おじいさんが運転手にドイツ語で「彼は、スティーブ・マックイーンのファンで、この奥の土地は映画の撮影地なんじゃ。遠い日本からやってきたんだ」というと、運転手は「あああ、そりゃすごい」と楽しそうに驚いていた。筆者も似たようなことを伝えたはずなのだが、「大脱走のファン」ではなく「スティーブ・マックイーンのファン」と伝えた方が納得しやすかったのだろうか。もしくは単に大脱走を知らなかったか、筆者の言葉があまり伝わっていなかった可能性もある。

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■遂に、遂に、ロケ地へ

おじいさんは、作業を中断して筆者を向かい入れてくれた。車で、ロケ地の丘まで向かう。
何度も、何度もお礼を言わせていただく中、丘を登っていくと。

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おじいさん「この周辺じゃよ」

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おじいさんの解説は、映画に出てきた山肌の情報から始まる。
興奮がとまらない筆者。空気が気持ちい。心は晴れやか。

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特にわかりやすいのが赤丸のあたり。
ここでナチスからの追跡をバイクで振り切ろうとした・・・!

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このDVDパッケージにもなっている場面。
背景の山を見比べてみてください!
もうちょと奥で撮れば良かったかもしれませんが。

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満面の笑顔で草原を歩く筆者を眺めるおじいさんと、車
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さらに、パソコンを車の上に置かせていただき、
映像を見せながら「この場面はどこですか?」と聞いていく。

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例えば、
筆者「マックイーンがバイク跳躍に失敗した芝生はどこですか?」
おじいさん「このへんじゃよ」
筆者「なるほど!!!」パシャり

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おじいさん
「あの木の方角からナチスが迫ってきたんじゃ」
筆者「なるほど!!!」パシャり

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細かい映画の検証など、どうでもよかった。
この空と、この空気を、おじいさんと共有できたのが素敵だった。

思い起こせば、前日の間違ったロケ地から諦めずに正解であった。

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さて、陽が暮れてきた。次の旅をしなければ・・・。
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■ベルリンへ
おじいさんは、なんと、車で駅まで送ってくれた。どれだけ感謝したかわからない。
尚、日本人で、おじいさんの土地を訪ねてきたのは、筆者が初めてだそうだ。とても、とても、素敵な旅であった。

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フッセン駅(映画では脱走者達が目指したところ)で、
おじいさんと握手して別れた。
咳が苦しそうだったのが、気になりましたが、お元気で!

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▼映画と違って、この線路上で捕まることはない
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ありがとうフッセン!
ありがとう映画の製作者たち!
そして、ありがとう、おじいさん!

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尚、筆者のロケ地探訪旅は時系列だと、
ラン・ローラ・ラン編 (ドイツ:ベルリン等)へと続いていく。

 

■改めて自己紹介
▼筆者

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◇映画
ナチス台頭前のドイツ映画と、戦後暫くしてからの日本映画が好物。
・好きな監督は、フリッツ・ラング、黒澤、山中貞雄、溝口あたり。

 

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